子供部屋は何畳にするか、何部屋にするか、これは子育てママが家づくりで必ずぶち当たる壁です。
株式会社AlbaLinkの【家を買ったタイミングランキング】経験者500人アンケート調査(https://wakearipro.com/when-to-buy-a-house/)によりますと、家を購入したタイミング第1位は「妊娠・出産」2位以下は「子どもの入園・入学」「結婚・婚約」と続きます。
結婚して子供を考え始めたタイミングから子供が大きくなる過程で家を買いたいと思うでしょう。それは子供にいい環境を提供したいという親心からです。
私も子供が生まれて家購入を考え始めましたが、子供部屋に悩みすぎて家づくり自体に二の足を踏んでいました。
3人目の妊娠を機に物理的に狭すぎる!となってようやく家づくりをはじめました。
ものが増えて収納が足りない!
将来子供部屋にするスペースがない!
この記事は
- 間取りを考えている人に子供部屋で考えるべき項目がわかります
- 創造力と協調製を育む子供部屋を作るアイディアをお伝えします
私は独自のコンセプトで創造力と協調性を育む子供部屋を考えました。
このブログでは建築士の私が毎日忙しく過ごすママだからこそ、新居ではがんばらなくていい仕組み(デザイン)を積極的に取り入れて子供に向き合える時間を作って欲しい、という願いで自邸で取り入れたデザインを紹介していきます🍀
コンセプトは余白を子供に描いてもらい、子供と一緒に成長する家です。みなさんの家づくりの参考にしてください。
子供部屋で考える項目
人数は?広さは?
子供の人数は何人を想定して子供部屋を考えるか、難しい問題です。
私は3人の子供がいてこれで終わりと思っているんですが、こればかりはわかりません。以前子供が増えて大家族番組で特集させる妄想をしました。そんなのもありかなってぼんやり思っています。
広さについても難しい問題です。
30〜40代の既婚女性1000人を対象に、子ども部屋が必要か不要か、適齢期や広さについてのアンケート(https://www.zerorenovation.com/blog/pr_202204_kidsroom/)によりますと、どのくらいの広さが必要だと思いますか?という問いに対して、6畳と答える人が54.6%もいました。
ですが、子供の人数が確定していないのに予想で6畳×人数分を用意してしまうと、かなり場所を取ります。
建築費も上がっているので、使い方が固定されてしまう部屋は作らないほうがいいです。どんな部屋もフレキシブルさを残していたほうが家族の変化に柔軟に対応していけます。
また、壁・柱・建具は後からつけるのは簡単ですが、取るのは難しいです。構造上必要な部材となっている場合は絶対に取れません。
取る場合は取った断面を違和感なく綺麗に処理するのもなかなか難しいです。
新築時に具沢山にしておくより、最小限の家にするほうがコスパがいいです。
収納はどう考える?
子供の収納するものは成長過程でかなりかわります。
必要な家具(ベッド・勉強机)もかわっていきます。服もどんどんサイズアウトしていきます。
さらに収納で使える高さがどんどん変化していきます。高いところが使えるようになり、逆に低いところが使いにくくなっていきます。
片付けられる子供になって欲しいのであれば、片付けやすい空間を作ることが重要です。
どんどん成長する子供にとって最適な高さにその都度調整していくと、子供にとって片付けやすい部屋になります。
収納にはゴールデンゾーンがあります。
立った時の自分の腰から目の高さまでを収納のゴールデンゾーンといい、人が一番使いやすい高さになります。この高さにあると手を上下に動かすだけで取れます。
普段使いのものは収納のゴールデンゾーンにしまうのがベストです。普段は使わずしまっておくものも大人がしまう高さでは子供が自分で取れないことがあります。結局場所として使われないのは勿体無いです。
一般的な住宅の収納で使われている枕棚とハンガーパイプは、子供が小さいうちは踏み台を使ったとしても危なくて自分で使えません。結局親が全部出し入れすることになります。高い位置にあるのは地震時も危険です。
壁紙や建具は?
壁紙を子供部屋っぽく可愛いデザインのものを貼ってあげる親御さんもいます。
最近は可愛い壁紙があって
目移りしちゃう!
その気持ちはわかりますが、大事なことはこれは親の好みで親の理想の子供部屋を作っているということです。
たしかに可愛い子供部屋が出来上がりますが、子供の趣味が親と同じだとは限りません。
建具についても一般的な収納に使われる折れ戸も子供が使えるようになるのはだいぶ先です。そもそものデザインが大人用に作られています。取手の位置も高く、手前に引くにも力が入ります。
子供の目線の位置で周囲を見渡してみるとわかりますが、建具は大きくて圧迫感があります。子供部屋の建具は最小限にして、子供が必要だというのであれば付け足すのがおすすめです。
プライベートは必要か?
30〜40代の既婚女性1000人を対象に、子ども部屋が必要か不要か、適齢期や広さについてのアンケート(https://www.zerorenovation.com/blog/pr_202204_kidsroom/)によりますと、子供部屋が必要だと思う理由の1位が、プライバシーの尊重(45.8%)です。
自分も思春期は自室に親が入ってくるのは嫌だった!
子供には子供の世界があると思う!
だからこそ個室を作る人が多いと思います。ですが、子供が個室を欲しがるとも限りません。
最近は学校でもタブレットを使うことが多く、以前より収納が少なくて済むという話も聞いたことがあります。私たちが考える子供部屋のイメージを現代のものにアップデートしなければなりません。
子供部屋で育む創造力
子供部屋の主役は子供たち自身!
親のエゴではなく彼ら自身の創造力を養う題材にしたい!
子供部屋は子供につくってほしい
子供部屋の主役は子供たち、自分達で考えて自分達で作って欲しい、それが私の願いです。
子供の頃、レゴや積み木でお城を作るのが楽しかったですよね。3歳の息子が作るブロックの創意工夫に親ながら感心することがたくさんあります。そんなアイディアがあったんだって衝撃を受けることがあります。
もっと大きなスケールで子供の創造力を見てみたい!だからこそ子供部屋の自分達で作り上げてほしいというコンセプトに至りました。
子供の柔らかい頭で考えた創造性で
私を感嘆させてくれ!
親の押し付けをしたくない
壁紙もさんざんショールームで眺めてサンプルももらいましたが、最終的に全部屋真っ白になりました。壁紙は部屋の雰囲気を左右します。だからこそ子供の趣味と合わなかった時悲惨なことになると思い、子供自身が替えたいと言ったら替えるつもりで真っ白にしました。
自分のが可愛いと思った壁紙は
サンプルを額縁に入れて飾ります!
飽きても取り替え楽々!
もちろん親の好みで子供部屋を作るのもいいと思います。ですが、子供がそれを好むかどうかは別問題ということは認識しておくべきです。子供部屋が誰のためにあるものかはきちがえないようにしたいですね。
余白しかない間取りと遊び心1つ
子供部屋は現場こんな間取りです。
一切収納をつけていません。もう余白しかありません。現状では5歳3歳1歳の3人がおもちゃで遊ぶ部屋になっているので低いカラーボックスで収納を作っています。
ただしひとつだけ親の遊び心を入れました。
それがこちら。
この1畳分の小さな吹き抜けはこだわりです。小屋裏との縦方向のつながりができて楽しいです。二段ベットで上下で喋って楽しんだ幼少期のように、上と下で話したり覗いたりして楽しんでいます。
もし子供が4人になったとしても、この小屋裏は部屋として使うこともできます。特に思春期の男の子はプライバシーが欲しくなるかもしれないので、部屋としても機能するようにしています。
ただし小屋裏には窓をつけていません。小屋裏の窓は夏の日射で熱が入りやすいからです。(ここだけの話、それもあって確認申請でも吹き抜けが通りました。私としては一石二鳥です。)
子供部屋で育む協調性
親より兄弟助け合って生きていけるためのロールプレイングとして、子供部屋を作って欲しい。
親より兄弟で助け合って生きて欲しい
大抵の場合、親は子供より早く死にます。でも兄弟は同じくらいの長さ生きます。ライフステージも同じように進んでいきます。
だからこそ両親ではなく、兄弟同士で相談したり助け合ったりして生きていってほしいというのが私の願いです。
親は何歳になっても子供のことを子供としてしか見れず、世話を焼いてしまいます。自分の親を見ていてもそうです。私はもう子供もいるいい大人なのに、衣食住や健康の心配もされます。それが親というもの、というのは自分が親になってからわかるようになりました。
0歳でも5歳でも30歳でも
親にとって子供は子供なんだ!
でも先に死んでしまう予定の私はいつまでも世話を焼けないなと思っています。だから自分で生きていく力を身につけて欲しいし、いつかは家を出ていって自分の家庭を築いたり、自分の好きな仕事で輝いて欲しいです。
それでも迷い悩む時もあるでしょう。そんな時に頼るのは親より兄弟であって欲しいです。
兄弟で話し合って作る子供部屋
私の長女と長男は年子なのもあって関係性がフラットです。次女も2歳差なので3人で話し合って収納から間仕切りまで、全て決めて欲しいと思っています。
もちろん助言はしますが、喧嘩になったとしても兄弟で作って欲しいという気持ちがあります。それは仲間と問題解決してひとつのものを作り上げるというロールプレイングにしたいからです。
お金の教育にもしたい
ロールプレイングにするからには、金銭教育の一環にもしたいです。
予算を設定して自分の欲しいものを探すというのは人生で避けては通れないスキルです。お金を使う力を養うことにつながります。
- 家具や収納をネットや店舗で探す
- 同じものを安く買う方法を考える
- 予算内で兄弟で話し合って買う
子供たちが成長することには、いまよりよい商品がたくさん出ているかもしれません。子供たちと探して見て買う行為自体も一緒に楽しみたいと思います。
成長によって変化する子供部屋
第一章でも書いた通り、子供達が大きくなるにつれて必要な家具や収納の高さも変わっていきます。
その変化に対しても兄弟で話し合って、新しいものを買おうとか交換して使おうとか、その都度柔軟に対応していって欲しいです。
このサイクルは社会で通用する能力につながると私は確信しています。
いずれ自立してほしいと願うからこそ、子供が自然に学べる機会を作っていきたいです。
まとめ
私たちの家づくりなので、私たち夫婦の希望が詰まった理想の家も素敵だと思います。
ですがそれ以上に変化を楽しむ余白を作りたいという熱い思いがありました。
住宅設計に携わってきたからこそ、建てて終わりの家は面白くない、余白からデザインに組み込みたいと考えました。
私が買った真っ白なキャンバスに子供たちがどんな絵を描いてくれるか楽しみにしています。
みなさんの子供が創造力と協調性を養う題材として子供部屋を使うのはいかがでしょうか。
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