断熱性能の高い家に住みたい!とい人が覚えておいてほしいのがUa値です。
家づくりについて情報収集している人は、なんとなく目にしたことがあると思います。
これをググりますとえらい難しいワードが出てきます。
普段子供と過ごしてこんな漢字だらけの文字わかるかいな!って感じですよね、わかります。
そんなあなたのために超簡単解説いたします!
この記事はこんな人におすすめ
- Ua値について知りたい人
- 断熱の基本を知りたい人
外皮平均熱貫流率も総熱損失量÷外皮表面積も、この記事を読めば必ずわかります。ぜひ最後まで読んでいってください!
熱の伝わり方3種類と家の中の例
断熱性能について比較する前に
熱の伝わり方の種類を理解しましょう!
ここ建築士試験に出ますよ!
熱の伝わり方は伝導・対流・放射(輻射)!
家の中での熱の伝わり方の具体例を紹介!
伝導
物と物が接触した時に、その接触面から熱が伝わる現象が伝導です。
これを家の壁で考えると、室内の空気の熱が壁面から壁内に伝わるのが伝導です。
対流
気体や液体が動くことで、熱が伝わる現象が対流です。
家の中で大流が一番身近なのはエアコンです。エアコンは熱風や冷風を送ることで室温を快適にします。
部屋のドアを閉めているとエアコンが効きやすいのは、ドアで対流が遮断されて熱が外に出ないからです。ドアの断熱性能が高いから、ではありません。
放射(輻射)
熱が電磁波という状態で四方八方に放出され、離れたところに熱が伝わる現象が放射(輻射)です。
これは太陽光が一番わかりやすいです。太陽はあれだけ遠くにあるのに、熱を伝えます。それは太陽から発する電磁波が地球に降り注ぐからです。
同じ大きさの室内でも人が多いほうが室温が上がるのは、わたしたちが熱源になっているからです。
家から出ていく熱をあわせて熱貫流!
前述した通り、熱の伝わり方は3種類あります。
エアコンの対流熱や人の放射熱(輻射)が壁に伝わり、壁内の数々の部材の間を伝導して外に出ていきます。壁の外側まで熱が達すると、外に放射(輻射)されたり外の風がもつ対流熱と熱交換されます。
熱の伝わり方3種類で室内から室外に出て行く熱を全てあわせて熱貫流と言います。
貫(つらぬ)いて流れる熱!ですね。
熱貫流が大きいと断熱性能が低いです。だからこそ断熱性能を比較する指標として使われています。
Ua値とは
さあここからUa値とはとググると出てくる漢字だらけのワードを噛み砕いて説明していきますよ!
Ua値=外皮平均熱貫流率=総熱損失量÷外皮表面積(W/㎡・K)
漢字ばかりで難しいUa値をわかりやすく解説!
Ua値=外皮平均熱貫流率の意味
外皮平均熱貫流率!!!!!漢字多すぎなんじゃそりゃ!これは言葉を分解して考えるとわかります。
熱貫流は先ほどの章で説明した通り、室内から室外に貫いて流れる熱(逃げる熱)です。
さあ、ではこの「家の外と接する部分」とはどこのことでしょう。
この5つです!この5つの要素をつなげると家の形ができますよね!
Ua値はこの5要素についてそれぞれ考えていきます。
UA値(W/㎡・K)=総熱損失量÷外皮表面積の意味
総熱損失量÷外皮表面積!!!!!これまた漢字多すぎどっひゃー!これも言葉を分解してみましょう。
要は、家から出て行く熱量を家の外と接する部分(先ほど紹介した5要素)の面積で割ったものです。
例えば水筒を思い浮かべてください。
保温機能のある水筒に冷たいお茶を入れたとしても、時間が経てばぬるくなりますよね。
どんな高性能な水筒であって時間をかければ中のお茶はぬるくなります。
この水筒がどれくらいの熱を閉じ込める性能を持っているかは、失われる熱量(最初のお茶とぬるくなったお茶の温度差)を水筒の表面積で割った指標で比べることができます。
このとき表面積で割るのは、大きい水筒と小さい水筒では熱の出て行く表面積が大きいほうが不利だからです。
これと同じことが家の断熱性能にも言えます。それを比較する指標がUa値です。
地域区分とは
省エネ性能、断熱性能を調べると必ず出てくるのが地域区分です。
これは簡単にいうと、日本は南北に長いから地域ごとの事情を考慮して省エネ性能を考えましょうねっていうことです。
凡例の通り、現在日本の気候は8つにわけて考えられています。
北海道と沖縄の気候を一緒に考えられないよね!温度も湿度も季節によって全然違うもんね!だから気候によって指標の基準値を変えよう!という計らいです。
地域区分 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
H28省エネ基準 | 0.46 | 0.46 | 0.56 | 0.75 | 0.87 | 0.87 | 0.87 | – |
ZEH基準 | 0.4 | 0.4 | 0.5 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | 0.6 | – |
1は寒冷地です。逆に8は沖縄で基準値すらありません。冷房と暖房では暖房のほうが外気との温度差が大きいので高断熱を求められます。
各メーカーのUa値ランキングは意味があるのか
Ua値がなにかわからなくてググろうとすると、検索候補で出てくるのが「Ua値 ランキング」です。
各メーカーが「うちの会社はUa値〇〇ですよ〜!」って宣伝している場合があります。このHPに載っている値を集めてランキング化したサイトがあります。
正直これは参考になりません。多少の比較にはなりますが、「この会社だとUa値〇〇の家が建つんだ!」と思ってはいけません。
前述した通り、Ua値は外皮面積によります。極端な話、延べ床面積が大きければ同じ断熱材を使っていたとしてもUa値があがります。大きい家ばかり建てているメーカーとコンパクト住宅ばかり建てているメーカーを単純比較するのは無理があります。
これを比較するくらいならZEHビルダーの実績を比較したほうが省エネに対するメーカーの気合の入れ方がわかります。(ZEHビルダーですよと言っていても実績0棟も普通にあります。)
基本的に「ZEHできますよ〜」っていうのと「ZEH建てました」というのはだいぶ違います。
ただし、ZEHも基本的には施主からの要望があって取るもの(認定を受けるには費用もかかる)になるので、この比較がメーカーの省エネ性能の優劣を完全につけることができるわけではありません。ですがUa値ランキングよりは省エネに対するメーカーの努力を図ることができます。
まとめ
熱の伝わり方は伝導・対流・放射(輻射)!
室内から室外に伝わる熱を合わせて熱貫流!
Ua値=外皮平均熱貫流率=総熱損失量÷外皮面積
=家の外と接する部分からおしなべて逃げる熱の割合
=全ての失う熱の量÷家の外と接する部分の面積
Ua値のことを少しはわかっていただけたでしょうか。
自分の家を高性能水筒にするか、すぐぬるくなる水筒にするか、それは断熱性能によります。
気になった人は自分の建てる予定の家の断熱性能について建築会社に聞いてみてほしいです!断熱性能は住みごこちに直結しますが、コストがかかるのも事実です。地域性にも左右されますので、自分にとってちょうどいい塩梅を見つけられるといいと思います。
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